
西洋朝顔のそばに、体長5cmのヨモギエダシャクの幼虫がいました。体に白い楕円形のものが10個付いています。おそらく寄生バチかヤドリバエの卵だと思われます。寄生生物である寄生バチまたはヤドリバエが、宿主であるヨモギエダシャクの幼虫に産卵したわけです。

体表に産卵された卵はやがて孵化し、出てきた寄生生物の幼虫が宿主の体表の皮をかじって中に入っていきます。そのようになっても、宿主はしばらく生きていますが、やがてサナギになって少し落ち着いたころに大きく育った寄生生物の幼虫が宿主の殻を破って出てきます。この時点で宿主は空っぽで完全に死んでいます。出てきた寄生生物の幼虫はその日のうちか翌日までにはサナギになり、寄生生物が羽化します。

人間が生きるために牛や豚を殺して食べるのと同じように、寄生生物はヨモギエダシャクの幼虫を食べて世代をつないでいるわけです。
寄生生物と宿主の関係はどれくらい長く続いているかはわかりませんが、今回ここでヨモギエダシャクの幼虫がいたということは寄生の関係がある中でも両者ともにずっと世代をつないできたわけで、結局これでバランスが取れているということになるわけです。